DRFバッファ解説
1. イントロダクション
BLDのコーナー解法には大きく分けて、2-cycleと3-cycleの2種類の解法があります。2-cycleはOld PochmanやR2 Methodのような、1つ1つパーツを揃えていく解法です。覚える必要のある手順が少ないという利点がありますが、どうしても手数が多く、実行に時間がかかってしまいます。
一方で、3-cycleは主にコミュテーターをベースとした解法で、1手順で2つのコーナーを揃えることができるため実行は早いのですが、手順数が21×18 = 378 手順もあるため敬遠されがちです。実際は3-cycleの手順は基本的に覚えるのではなく、その場で作り出すものなので、手順数から想像されるほどは難しくないのですが、移行に踏み切るのに勇気がいるのも事実だと思います。
しかし、トップクラスになりたければ、3-cycleに移行することが不可欠です。
例えばOld Pochmanでは2つのコーナーを揃えるのに36~42手もかかってしまいますが、これをコミュテーターで解けるようになると平均9手程度で揃えられるようになります。ぜひ3-cycleに挑戦してみてください。
3-cycleに移行するにあたり、最初に考えなくてはならないのがバッファの位置です。
バッファの位置は全部で24ヶ所考えられるのですが、ほとんどの人はUBL, URB, ULF, DRFのいずれかをバッファとして使用しています。 この4か所については世界のトップキュービストが手順集を公開しているので、移行する際にはとても参考になると思います。
世界トップ層のバッファの一覧はこちらで見ることができます。 UBLをバッファにしている人が一番多いですね。
Old Pochmanを使用していた人はUBLがバッファ、R2 Methodを使用していた人はDRFがバッファでしょう。
基本的にはバッファを変える必要はありませんが、今まで使っていたバッファだとコミュテーターを考えづらい場合、一度バッファを変えてみるのも手だと思います。
例えばUBLをDRFに変えた場合、F2Lの手順や考え方を流用できるため、分かりやすいという人もいるようです。
コミュテーターではバッファを含む面は手順の中で必ず回さなければならないため、DRFバッファだとDとRとFを多く回すのか、UBLバッファだとUとBとLを多く回すのかと思ってしまいますが、実際は回しにくい手順は持ち替えて回すため、どこをバッファにしても最終的には回しやすさやタイムはほとんど変わりません。表1に手順集を公開している3人の、手順中に含まれる回転記号の割合をまとめてみました。
表1
Marcell(DRF) | Noah(UBL) | Riffz(UBL) | |
R | 28.9% | 28.5% | 26.7% |
L | 20.4% | 12.1% | 18.0% |
U | 32.6% | 31.3% | 30.0% |
D | 13.2% | 24.9% | 19.8% |
B | 0.2% | 0.3% | 0.5% |
F | 4.8% | 2.8% | 4.9% |
強いて言えば、UBLだとDを回す回数が少し増えるようです。
UBLバッファの3-cycleの解説はたくさんのブログ(http://takuyanacube.blog.fc2.com/blog-entry-9.html)にとても分かりやすいものがすでにあるため、ここではDRFバッファの解説をしていきます。