MBLDについて

MBLD解説については元日本記録保持者のほうが圧倒的に素晴らしい記事を書いているのでまずこちらを参考にしましょう!!MBLD解説

いろいろとやばいですね。その上で人間向けに自分のやり方についてまとめていきます。

① 場所法について

MBLDの際の記憶は『場所法』を利用しています。場所法について知りたい人は、日本BLD界のカリスマであるたくさんのブログを読みましょう!! TAKU's BLOG 大学生スピードキューバーのブログ

場所法は非常に優れた記憶法です。この方法を使うまでは10個くらいが限界で頭も非常に疲れてしまいましたが、場所法に変えてからすぐに15個、今では20個を越えるくらいの個数までできるようになりました。また、なにより頭がそれほど疲れないというのも良いです。場所法を使わない記憶は覚えることができても思い出す手がかりがないので、復習する時や実行する時に記憶を思い出す作業が非常に大変になってしまいます。一方、場所法を使えば、イメージと場所を連結させることによって、場所を手がかりとしながらイメージを思い出すことができます。記憶を思い出す際の労力が格段に減るため、楽に早く記憶して解くことができます。

場所法は頭の中で物事をうまくイメージできる想像力が豊かな人が使えるのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし、そうではないです。自分は、頭の中で物体をイメージするのが非常に苦手で、絵なども全くかけません。自分が場所を思い浮かべてもおおざっぱで歪んだイメージが頭の中で描かれます。そのため、場所法はあくまで記憶を整理するための座標を用意しているだけと捉えれば良いと思います。自分にとって分かりやすい座標を用意して使えば、この記憶法は充分に効果を発揮できます。

自分は一つのキューブに対して5つの場所を用意していて、それぞれに4文字(2つのレターペア)を置いています。細かくいうとエッジに3つの場所、コーナーに2つの場所となっています。もちろんエッジや、コーナーは12文字や8文字で必ず終わる訳ではないので、3文字や5文字なども1つの場所に強引に置くことが多くあります。

普段私は3BLDを解く際エッジファーストなので、コーナー→エッジの順に分析、記憶して解いています。ただ、MBLDの際は逆にエッジ→コーナーの順に分析、記憶しています。場所法は頭の中で地図を辿っていくので、実行する順番通りに記憶したいためこうしています。

② 挑戦例

記事を書くにあたり、20個のMBLDを試しにやってみて、記憶や復習などにどれだけ時間をかけているのかまとめてみました。

  かかったタイム 合計タイム
並び替え 0:28.53 0:28.53
1~5個目(記憶・分析)    4:37.36 5:05.89
1~5個目(復習)       1:02.98 6:08.87
6~10個目(記憶・分析)    6:39.19 12:48.06
6~10個目(復習)       1:29.38 14:17.44
11~15個目(記憶・分析)   7:27.78 21:45.22
11~15個目(復習)      1:22.28 23:07.50
16~19個目(記憶・分析)   4:42.77 27:50.27
1~19個目(復習)      6:28.01 34:18.28
20個目(記憶・分析)   0:42.73 35:01.01
実行(20→11~19→1~10の順番) 16:11.96 51:12.97

記録 16 / 20 51:21.97 [分析・記憶 35:01.01 実行 16:11.96]

つらい(画像略)
つらい

ひどい結果ですが、分析・記憶・復習にかけている時間などを参考にしてみて下さいorz

詳しい自分のMBLDのやり方を文字にして説明してみます。

③ 小ネタ(細かいMBLDに関するテクニック)

CO, EOについて

COやEOがあったら微妙に困ります。自分はCOやEOがそれぞれ1つまでだったらそれらは2文字にして覚えて処理します。例えばULのエッジが反転していたらエッジの分析の最後にUL、LUのステッカーに対応する2文字を加えて覚えています。

COやEOがそれぞれ二つ以上あったらさすがに2文字にするのは面倒なので別にして頭の中で覚えておきます。例えば「3」個目のキューブの「つ」と「か」の位置にEOなりCOがあったら『サッカー』に語呂合わせして覚えています。EO、COが共に二つ以上あっても強引に語呂合わせして覚えています。キューブの分析をしているときにビジュアル記憶も無意識にしているので適当に覚えても意外と覚えていています。

1つの場所の文字数

自分は一つの場所にレターペア2つで4文字置いていますが、綺麗に全ての場所が4文字におさまることは無いです。中途半端な文字数だと最初は頭を使ったりして面倒に感じると思います。しかし、エッジやコーナーの最後の場所は5,6文字になることも少なくないので嫌がらずに覚えていきましょう。逆に、思い出す際にここは6文字で面倒だったなぁという風に記憶にアクセントになることもあるので悪いことばかりではないです。また、綺麗な語呂合わせやイメージができた場合は1つの場所に積極的に6文字なり8文字置くことも自分はたまにするので1つの場所に置く文字数を柔軟にしても良いと思います。

また記憶するのが奇数文字の場合、最後に1文字余ってレターペアが使えなくなります。 このとき、自分はポケモンを使っています(ケ→ケーシィなど)。このように1文字専用のイメージを作っておくといいかもしれません。

④ 記憶の際の心構え

他の人がどのように記憶しているのか分からないので、なんとも言えないですが、自分の記憶のスタイルは「記憶に使えるものはなんでも使って記憶する」という感じだと思います。

短い時間で多くの文字を記憶するためには無駄な情報は覚えずにその文字を覚えることだけに集中するという人もいるかもしれません。自分はそういう風にするとあまり覚えられません。逆に自分はイメージする情報量をできるだけ多くして記憶しようしています。たとえば「はす くる」という4文字が来たら自分は「バス」「くるくる(回る)」という二つのレターペアのイメージを思い浮かべて『バスがくるくる回っている。中の乗客は目を回して大変そうだ。(思い出している場所の)近くの家にも当たって家が壊れている』みたいなことを考えます。このように情報を枝付けして増やして行く方が圧縮するよりも覚えやすいと思います。また、自分はどうしても覚えられない場合は1つの場所に2パターンのレターペアの組を作ります。最悪どちらかを思い出せれば解けるようになります。このようにいろいろなことを思い浮かべると良いかもしれません。

また、しおさんの言うエピソード記憶も少しだけ使っていると思います。「この文字記憶しにくいなぁ」とか「面白いイメージを作ることができた」とか「ここらへんの場所ポケモンが大量発生している」とか記憶の際に自然に浮かんでくる感情を普段より少しだけ強く意識すると覚えやすくなるときがあります。記憶しているということをメタ的に記憶するという感じでしょうか?

他にもある程度の個数でMBLDをやっていると同じレターペアが2回出てきたと気づくときがあります。そのときは1回目に出てきた場所に戻ってみてついでにその周りの場所も見回して記憶できているか確認すると手軽に記憶の復習ができてお得感があります。また、単純に何度も頭の中で文字を読みまくることもあります。こうすれば記憶できそうだなぁと思った方法を使って記憶していくことが重要だと思います。

⑤ おわりに

だらだらと文章を書いていましたが、とにかく重要なのは場所法を使い、いろいろ頭の中でイメージしながら記憶していくことだと思います。人はだれでもキューブ20個分は記憶する容量を余裕で持っていると思います。それをうまく整理して思い出せるようにするのが場所法という技術で、これを上手になれば良いだけです。

自分は用意している地図(場所)も雑に作ったもので分かりにくく、場所法を上手く使いこなしているとは思えないです。また、レターペアの完成度も低くてイメージ作りに苦労することも多々あります。さらに自分は単純に3BLDの実行が遅いため、それだけでもだいぶ時間がかかっています。このことから分かるように、MBLDで10~20個やるのは、緻密で入念な準備が必要というわけでもないです。もっと気軽に場所法を使ってMBLDにトライしてみましょう。

この記事は記憶について書いてきましたが、MBLDは実行を完璧にやらないといけないというのも難しい要素の一つです。なんとか記憶して全部思い出して実行しても、なかなか全成功は厳しくシビアな競技です。しかし、成功したときは心の底から「やったー!」と思えます。自分の家でのPBは早稲田頭脳戦の直前に出した21/21ですが、これを出したときは本当に嬉しくて感動が止まりませんでした。本当に嬉しかったです。頭脳戦のMBLDは無事死亡しました。

余談ですが、大会でMBLDをやる際、特に実行はさらに緊張します。早稲田頭脳戦のときはずっと心臓がバクバク鳴っていて、日本大会でNRを出したときは実行に移る直前には尋常じゃない手汗をかいていました(会場が暑かっただけ説有り)。普通のスピード種目と違って緊張感がすごく長く続きますが、その分良い結果が出たらとても達成感があります。この達成感を多くの人に味わってもらいたいです。

是非、皆さんMBLDを楽しんでみて下さい!
2015/10/11

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