FMCにおける思考過程

本記事は、FMC Advent Calendar 2019 5日目の記事です。
4日目は鏡音リュウさんの「FMC Advent Calendar 2019」でした。
6日目ははすたむさんの「FMC Advent Calendar 2019(1) 初記事」です。

はじめに

みなさんおはこんばんちは。はじめましての方ははじめまして。こだま(2013KODA01)です。
昨年まで目潰しサークルWRCCに所属していました。今は東北で社会人やってます。

FMCは2014年末くらいに始めました。WRCCの活動中にふーみぃ、mrkwさん、ΦさんにFMC講座を開いてもらい教えてもらったのがきっかけです。
初めて大会でFMCをやったのは関東FMC 2015です。うえしゅうが28.67のAsRを出した大会ですね。このときの記録は57, 34, 31の40.67 meanでした。こいつ大会の中で成長してやがる…!
2015年はFMCをやる機会が多く、早稲田頭脳戦、川崎大会、CCK、日本大会、FMCアジア、目黒大会と合わせて13試技もしていたようです。roudai.netFMC Competitionも開催されていましたね。今思えば流行っていたのでしょう。僕はFMCアジアで31.00 meanを出し、東京会場で3位入賞しました。しかしWCA上では全体7位だったため幻の入賞に(ちなみにこのときの全体優勝はふわくん)。

当時World Rank 68位だったこの記録はしばらく更新できず、昨年のAsian Championship 2018で30.67 meanと更新。そして今年のJapan Championship 2019で28.67 meanを記録し、Waseda Record(通称WR)奪還&3位入賞することができました。練習してないのに入賞できるなんてFMCはちょろいですね(?)

自分語りはこの辺で終わりにして、お題のスクランブルを解いていきたいと思います。
この記事ではinverse方向の解答は()内に示すこととします。またスクランブルの基準面はU白F緑です。

Normal scramble: R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F
Inverse scramble: F' U R D2 L' B' L2 B U' R L F D2 F L2 F' R2 U2 D2 R2 B D' L' F' U R

ペア探し(マッチングアプリのことではない)

僕はEOファーストでは解いていません。理由は練習していないからです。
なのでなんとかしてブロックビルディングで解いていきます。

まず僕は一番初めに、1手でペアができるものを探します。normal, inverse両方向から探します。

R, R2, L, (F'), (B')

の5つが見つかりました。(normal, inverse両方の)スクランブル状態ですでにできているペアと、ここで見つけた1手でできるペアの合計7つをもとにしてブロックを作っていきます。

没ルート1

Lでできる緑-黄赤ペアを使って考えます。

L U' B U F

で222ブロックとペアがいくつかできますね。続いて

R D

でさらに222ブロックができます。さらに

R U

でペアをくっつけて123ブロックを作ることができます。

ここまでをまとめると

L U' B U F R D R U

これ以上うまくブロックが作れそうにないと思ったらinverseにswitchします。
inverseにswitchして探索を続けましたが、良さそうなのが見つからなかったのでこのルートはあきらめます。

没ルート2

次に見つけたのはこちらです。inverse scrambleより

(R U' R2 U' R)

すでにペアとなっている白-青赤ペアを保存しつつ橙-白青ペアと橙青エッジをいい位置に持って来られました。
これを見つけた経緯は説明しづらいのですが、あえて説明するなら(F')でできるペアは(R U)とすることでもペアにすることができることを利用しています。

ここから

(D2)

で赤-白緑ペアを逃し、

(B R)

で221ブロック完成。さらに

(B2 U R')

とすることで223ブロックを作りつつ、白赤エッジと緑赤エッジを良い位置に持ってくることができました。さらに

(B2 L' F)

で222ブロックと123ブロックができました。

ここから白橙エッジを入れたりnormalにswitchしたり色々試しましたが、これ以上見つかりそうにはないのでこのルートもあきらめます。

解答ルート

次に

(B' F2 R)

を見つけました。もともとあった白-青赤ペアも保存できていい感じです。このペアをブロックにするために

(L' B2 U)

を行います。すると白赤エッジも正位置に入りいい感じ。

(B' F')

で223ブロックの完成です。
橙-黄緑ペアと橙-黄青ペアが見えているのでこれを生かしてさらなるブロックができないか考えます。switchしてnormal方向も探しますが、良い解答が見つかりません。

ここで、少し前の

(B' F2 R)

まで戻り、ここでnormalにswitchしてみます(R' F2 Bを回してからnormal scrambleを回す)。すると黄赤エッジが1手で正位置に入るのが見つかるため、

D' F

で222ブロックを完成させます。次にB面に黄-緑橙ペアがあり、L面の黄橙エッジも良い位置関係にあるので、

L B U'

とくっつけたところ、なんと新たな222ブロックとペアまでできてしまいました!ラッキー✌
このままB2 LとすることでF2L-1が完成しますが、ここを

B' L B'

としてEOを合わせます。そしてB'することで新たな221ブロックができるため、これを利用して

B' U2 B U B' U' B

で3CP1COとなりました。

ここで、最後のエッジ合わせは

B' U' B U' B' U B U'

としても3CP1COは作れますが、前者の方が1手少ないのでこちらを採用しました。ひょっとすると後者でインサートしたほうがキャンセルが多く起こり、最終的な解答が短くなる可能性もあります。しかし時間には限りがあるので、余裕があれば後者も試す程度でいいでしょう。

余談 - パリティについて

今回は最後のB'で作ったブロックを活かしつつエッジ合わせをすることができましたが、場合によってはどう頑張ってもエッジ合わせができないこともあります。この状態をパリティといいます。詳しくはWRCCのFMC解説にて。
パリティを回避するためにはせっかく作ったブロックを崩さなくてはなりません。試技中に「めっちゃペア保存しながらブロック作れていい感じにイケてるわ」と思っていたのにパリティだったということはよく起こり、とても悲しくなります。

パリティの処理方法のひとつに、2C2Eの手順を使う方法があります。代表的なのはJ-permですね。僕もいくつかは覚えていますが、洗練されてはいないのでその場で思い出しながら頑張ってインサートします。
また、ブロックを作りながらLast Layerに持っていくと、セットアップJ-permで処理できるZBLLがよく発生します。J-permはセットアップからのペアコミュテーターなので、F2Lとキャンセルしてペアコミュテーターをインサートできたりという状況があり、こちらもよく使います。

インサート

解答をまとめると、

(B' F2 R) // 221 block
D' F // 222 block
L B U' // more 221 block*2
B' L B' // F2L-1
B' U2 B U B' U' B // leave 4 corners

Skeletonは、

D' F L B U' B' L B2 U2 B U B' U' B R' F2 B(17手3CP1CO)

となります。残ったコーナーにシールを貼り、interchangeable(インタァチェィンジャボゥ)な場所を探してコミュテーターをインサートします。

3CP1COの探し方に関してはFMC Advent Calendar 2019 1日目の北村さんの記事に詳しく書かれているので割愛しますが、ここではシールの貼り方を紹介します。僕のおすすめシールは百均のはがせるタイプのシールです。このシールを写真のように貼ります。

貼り付ける向きに注意。写真のように貼るとコーナー3面のうち、シールに文字が書いてある面、書いていない面、シールが無い面の3つを区別することができます。COには数字を記入していません。ループの数字は1→2→3→1'としています。

インサートしていきましょう。

Skeleton: D' F L B U' B' L * B2 U2 B U B' U' B R' F2 B
Insert at *: L' B' R B L B' R' B (8-4)

COのパーツを絡めたコミュテーターをインサートし、4手キャンセルしました。
次にこのインサートを行ったあとのスケルトンを書き出し、新たにシールを貼ってインサートします。

Skeleton: D' F # L B U' B2 R B L B' R' B' U2 B U B' U' B R' F2 B
Insert at #: F' D' F U' F' D F U (8-3)

3手キャンセルしました。3CPでこれはおいしい。

最終的な解答は以下になります。

Solution: D2 F U' F' D F U L B U' B2 R B L B' R' B' U2 B U B' U' B R' F2 B(26手)

さいごに

傍から見たら僕はFMCが強い人のように見えるかもしれませんが、実際は毎回毎回綱渡りのようにラッキーな解答を引き続けているだけです。良いスケルトンができたりインサートでめちゃくちゃキャンセルしたり、COLL回したらスキップしてくれたり、偶然3CPができたりなどなど…。何も見つからないときももちろんあります。つまりFMCは運。

FMCは老後の嗜みと言われている(?)ように、FMCは誰でもできます。スピードキューブも奥が深いですが、FMCはルービックキューブというパズルを解いている感覚があり面白い競技です。このAdvent CalendarでFMCに興味を持った方もそうでない方もFMCを初めてみてはいかがでしょうか。

最初はCFOPで始めてスキップを狙うのもありですが、個人的にはインサートという概念を知ったのがFMCにのめり込んだきっかけだったかなと思います。インサートをすると、場合によっては8手以上のキャンセルが起こることもありえるわけです。トータルの手数を増やすことなくインサートするのに成功するとfree insertion clubに入会することができます。入会できたからといって何かあるわけでもありませんが、一度はfree insertionしてみたいものですね。きっと脳汁ドバドバでしょう。

なんてことを言ってますが、インサートは時間がかかるし見落としもあるし、何より面倒くさいです。面倒くさいことはせずに揃えられた方が良いに決まっています。僕はインサートが嫌いです。スキップが至高。

最後になりましたが、FMC Advent Calender 2019を企画してくださったたむそんさん、ありがとうございました。楽しかったです!

おまけ - Insertion Finderによるインサート探し

せっかくなのでInsertion Finder通称IFたん)を使って、見つけた解答がoptimalかどうか確認してみましょう。

ScrambleSkeletonをそれぞれ入力し、3 CornersPure 3 Cornersにチェックを入れ(デフォルトで入ると思います)、Submitを押します。

Fewest Moves

26

Solutions

Insertions
2
Skeleton
D' F L B U' 😮 B' L B2 U2 B U B' U' B R' F2 B
😮
R2 B' L B R2 B' L' B (8-5)
Skeleton
D' F L B U' R2 B' L B R2 B U2 😃 B U B' U' B R' F2 B
😃
U B' D' B U' B' D B (8-2)
Final Solution
D' F L B U' R2 B' L B R2 B U' B' D' B U' B' D B2 U B' U' B R' F2 B
Cancellation
7

と表示されました(結果のリンクはこちら)。どうやらoptimalも26手だったようです。

しかしインサートをよく見てみると、1回目の😮インサートで5手キャンセルしていますね。インサートを複数回行う場合、1回目のインサートにはなるべくキャンセルの多いインサートを選ぶのがセオリーです。IFによる今回のケースでは、1回目に5手キャンセルの😮インサートをしても2回目の😃インサートは2手キャンセルがoptimalだったため、合計で7手キャンセルというのは自分の解答と同じでした。

ここで胸を撫で下ろしてはいけません。1回目の5手キャンセルの😮インサートを見落としていたことは大問題です。もしかしたらこの😮インサート後、2回目のインサートで3手以上のキャンセルがあったかもしれません。
(もちろん逆のパターンもあって、1回目で大キャンセルが起きたからといってそのインサートがoptimalとは限りません)

結論:やっぱりインサートはゴミ

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