入門から各テクニックの習得まで

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3-2. FMCのための解法(後編)

ここからはF2L-1以降の考え方について説明します。 進め方は大きく4通りあり、適時適用という形になります。
ただし、すべて使いこなすには後で解説するコミュテータというテクニックが必須になるのでFMCを本格的に始めたい人は必ず習得するようにしましょう! 逆に言うとコミュテータを習得するまでは1つ目の方法だけで十分です。 無理せずゆっくり学んでいきましょう。

(1) F2L#4→OLL→PLL
F2L#4とはF2Lの4つ目のことを指しますが、これは言うまでもなくCFOPの解き方そのものです。 初めてFMCをする場合はこうするしかないでしょう。 ただこの進め方だとskipしない限りどうしても手数がかかってしまうで、上級者はskipケース以外で使うことはまずありません。 大抵は他3通りの方法で処理します。 しかしこの方法でもF2LのIT化やOLL手順などで色々なパターンが試せます。 色々試すことはFMCでとても大事なのでその感覚は決して無駄にはなりません。

(2) F2L#4→ELL→3CP
上と違うのはF2Lを揃えた後、ELL(エッジの向きEOと位置EPを揃える)を行い、最後に3CPとなっている点です。これは3 corner permutedの略で、すなわちコーナーの3点交換に持ち込むことを言います。 コミュテータとは簡単に言うと特定の3点のみの交換を行うことであり、どんな位置関係であってもその都度手順を作ることが出来ます。 この場合だとF2Lを終えてから簡単なOLL手順等を用いて4エッジの向きと位置を揃え、残り4コーナーのうち1つだけ揃って他3つが交換されている状態に持ち込むことになります。
例えば次のスクランブルをしてみてください。

Scramble: L' F2 L2 R2 F L2 F' R2 F2 L F R' F' R U'

ここで通常のOLLではなく、R' F2 L F L' F R U'(Fat-SuneのOLL)と回してみます。 OLLとしては完了していませんが、4エッジの向きと位置かつコーナーが1つ揃い、揃っていないのはコーナー3点のみ(L3Cといい、今回はその中でも3CP状態)になっています。 このような一部を残して完成させたもの(スケルトンといいます)を目指します。

実はコミュテーターを使うと3CPは基本的に8手で揃えられるのでPLLに比べると遥かに手数が少ないです。 さらに直前のELLで使う手順も6~9手の短いものしか使わないのでLLが15手程度で処理できることになります! コミュテータの解説は後でするとして、ここで重要なのはEOだけでなくEPも揃うように短い手数のELLを適時選択できるようになることです。 コーナーに関しては運で1か所揃えなくてはいけないため、4エッジの起こりうるパターンに対して複数の手順を知っていた方が当然有利になります。 もちろん知っている手順全てを試しても3CPに持ち込めない場合も多々あり、その時はF2Lまでを異なる方法で揃えて再チャレンジすることになるので、3CPになったらラッキーぐらいの心構えでいいです。

ここでELLに使えるおすすめ手順を一覧にして紹介しておきます。
この辺この辺を参考にしました。
※()内に例えば左、逆、左逆手順と書いてあるものは、表記している基本手順(右手順)の他に左手順、逆手順、左逆手順も同様に使えることを意味します。

EO判断 EP判断 手順
十字 隣接交換 R U R' U R U2 R'(左、逆、左逆手順)
対面交換 Rw' U Rw' U2 R B' R' U2 Rw2 B'(左、逆、左逆手順)
L字 EPなし F U' R U R' U F'(左、逆、左逆手順)
↑はF2L#4のコーナーを無視しています
R U R2 F R F2 U F(左手順)
対面交換 R U R' F' L' U' L F(左手順)
F R U' R' U2 R U R' F'(左手順)
EO合ってる2つの隣接交換 R B2 L' B' L B' R'(左、逆、左逆手順)
R U2 R' U2 R' F R F'(左、逆、左逆手順)
R U2 R2 F R F' R U2 R'(左、逆、左逆手順)
Rw' U Rw2 U' Rw2 U' Rw2 U Rw'(左手順)
EO合ってない2つの隣接交換 Rw' R2 U R' U R U2 R' U M'(左、逆、左逆手順)
Lw L2 U2 L U L' U L U M'(左、逆、左逆手順)
↑は2つとも M [Sune+AUF] M' の形で計8パターンですが長いので捨てていいです
その他の隣接交換 F U R U' R' F'(左手順)
R' U' F R' F' R U R(左手順)
= R' F' L' U L U' F R(左手順)
F R' F' R U R U' R'(左手順)
= F' L' U L U L' U' L F(左手順)
= L' U B L' B' L2 F U' F'(左手順)
R' U' F U R U' R' F' R(左手順)
I字 EPなし F U' R U2 R' U F'(左手順)
↑はF2L#4のコーナーを無視しています
対面交換 回避( ∩'-'⊂ )シュッ
隣接交換 F R U R' U' F'(左手順)
R U R' U' R' F R F'(左手順)
= F' L' U L U' L' U' L F(左手順)
R' U' R' F R F' U R(左手順)
= R' F' U L' U' L F R(左手順)
R' F R U R' U' F' U R(左手順)
一点 ( ∩'-'⊂ )シュッ ( ∩'-'⊂ )シュッ

表の見方ですがEOとEP両方の判断が必要なため、各EOに対してEP判断をそれぞれ加えています。 実際にELLを行う時は表のようにEOEPを判断し、その中で知っている手順を色々回してみて運よくコーナーが1つだけ揃うものを探します。 最終的にはここにある手順ぐらいは全て覚えておいた方がいいのですが、有名な短いOLL手順や左右対称型・逆再生型などがほとんどなので数の割には楽だと思います。 適応のさせ方は実践でいくつか紹介しているのでそちらでご確認ください。

(3) U面1x2x2ブロック→エッジ合わせ→3CP
これも3CPに持ち込みコミュテータで揃えるパターンです。 F2L#4→LLの処理には手数がかかってしまう一方で、LL(U面とします)に1x1x2のブロックを数手で作れることがあります
例えば次のスクランブルをしてみてください。

Scramble: U L U' R U L' U' R2 F R F' U R U R' U

ここではF2L#4は忘れてU面の白青橙のペアに注目します。 U' R U' R' とするとU面に1x2x2ブロックができますよね。 さらにU'すると残りがコーナー4点とエッジ3点になっています。

実はこの位置関係のブロックを崩さずに揃ってない4コーナーを巻き込みながら数手でエッジを3点交換させる方法があります。 つまりそれでエッジを全て合わせればコーナー4点、1か所合えばL3Cになります!

ちなみにこの場合は直感でできる人もいると思いますが、F R' F' R すると3エッジとURBコーナーが正位置に入ってCP3に持ち込めました。 ここまで9手しかかかっていません。
※これはエッジを3点交換させるものなので、エッジ1つが正位置で2つが反転しているような場合は手数が倍になるため避けた方がいいです。

このエッジ3点交換を一般化しておきます。



まず位置関係としては対称形を除いて上図の2パターンしかありません。
左側は1手で交換可能な面が2つある場合です。 この図だとU面とR面でそれぞれ交換可能ですが、考え方としては交換A→交換B→戻すA'→戻すB'です。 手順としては R U' R' U or U' R U R' になります(交換の向きが逆になります)。

右側は1手で交換可能な面がない場合です。 これはセットアップで左側の形にし、処理して逆セットアップとなります。 例えば R U' してy持ち替えすればまたU面に1x2x2がある同じ形になり、ちょっとわかりづらいですが3エッジの位置関係が左側の図と同じになっていることが確認できると思います。 手順としては R U' B U' B' U2 R' or R U2 B U B' U R' となり、必ずキャンセルが起きて7手になります。 また、この交換の対称性から、例えば F R' などセットアップの仕方が6通りありそれぞれ4コーナーの挙動が変わってくるので、CP3に持ち込める可能性も高く前後の回転とキャンセルも起こしやすいです。

慣れるまではエッジの位置関係が把握しづらいところもありますが、コミュテータに持ち込むのに重要なテクニックです。
うえしゅう氏の動画が参考になると思います。

またここまでエッジ3点交換の話を進めてきましたが、実はU面にブロックを作った時点で残りのエッジが3点交換にならないことがあります。 これは所謂パリティーの状態なのですが、パリティーについての項で別に説明しているのでそちらをご覧ください。

(4) エッジ合わせ→5CPなど
上のような方法で探してもうまく3CPに持ち込めないこともあります。 F2L-1の状態で揃っていないのはエッジもコーナーも5点ずつですが、ここではコーナーは一切無視してエッジだけ揃えます。 実はコミュテータを2回利用してコーナー4点や5点の交換をすることもできるのです! エッジの揃え方はなんでもいいのですが、(2)の方法を使って3手F2L→簡単ELLと進めたり、(3)の方法を使ってU面エッジ2点(1x2x2ブロックのコーナーを無視したもの)→エッジ3点交換と進めたりしてスケルトンを作ります。

ここだけ見るとさっきよりも格段に制限が減って短い手数で楽にスケルトンを作れそうなのがわかると思いますが、その半面スケルトンからコミュテータを2回使用して揃えるため、その分手数が増えやすく、処理も難しくなります。 コミュテータの適応に慣れるまでは頑張ってなるべく3CPに持ち込むことをおすすめします
またコーナー3点以上の交換については追加のテクニックの項で説明しています。
そしてここでもパリティーが発生しえますが、それに関してはパリティーについての項を参考にしてください。



以上がCFOPを発展させたFMC向けの解き方になります。
次の項ではいよいよ変態テクニックをいくつか紹介します。
習得すれば劇的に手数が短くなりますが、実は初心者でも使うことが出来ます!
動画も用いながら解説していきますのでぜひ目を通してみてください。

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